La dolce vita again

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La Boule (ブール)

大変ご無沙汰しております。前回から三ヶ月もたってしまい、面目次第もございません。ふつつかなブログですが、また再開したいと思います。どぞどぞよろしくお願いいたします。

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 最近、久しぶりにパンを焼き始めました。
これまで幾度となく挫折してきたハードパン。もう無理なんじゃないのかともう一人の自分が心の中でささやくのですが。。。
シンプルなバゲットやカンパーニュ。そこにチーズやレーズン、イチジクにクルミ。好きなものを好きなだけ入れられるようになったらどんなにいいかしらと思う自分もいたりして(よだれ)。
 というわけで、本日のおやつは「ブール」。「ブール」=「ボール(玉)」ですな。バヌトン(発酵カゴ)に入れて丸く大きく成形しました。

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 実はフランスでバゲットが主流になったのはここ100年くらいのこと。その前はテーブルパンの王様はブールだったそうです。核家族化が進んで、大きなパンを買う人が少なくなってしまったのだとか。とはいえ今でも根強い人気があります。この愛嬌のある姿。私もファンの一人です。
↑写真は二次発酵が終わり、クープ(切り込み)をいれたところ。この後240度のオーブンで20分~30分ほど焼いていきます。

パンの呼吸が聞こえる

パンの呼吸が聞こえる

 先日、アメリカの天然酵母パンの先駆け「La Brea Bakery(ロサンゼルス)」のシェフ「ナンシー・シルバートンさん」の番組を観ました。1990年代(だったと思いますが)、工場のパンではなく、粉のうまみが感じられる本物のパンを作りたい。すでにレストランシェフとして名声を得ていたナンシーさんですが、パンは専門外。手探りの状態から試行錯誤を繰り返し、全米一と呼ばれるパン屋さんへ成長していった様子が描かれていました。*1 大事にしたのは「The Breath of Breads」(パンの呼吸)を聞くこと。

 パンはマイペースで気まぐれ。寒かったり暑かったり、ほんのちょっとの変化にも敏感。今日できたことが明日もできるとは限らない。こちらの思惑通りにはななってくれない生き物。味わい深い生地を作る心得は、無理をさせない。急がせない。失敗しても失敗してもその呼吸を聞き、飽くなき探究心で追い求めた理想のパン。その圧倒的な美しさに心震えました。


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 さてさて話は戻りまして私の「ブール」。断面はこんな感じ↑。3回目のチャレンジで気泡が入ってくれるようになりました。

 しかし、毎日一緒にいる夫の気持ちもよくわからないのに(あれ)、パンの気持ちに近づくなんて仙人になるより難しそうですが。。。耳をすませ、赤ちゃんのほっぺのような生地に指で触れ、パンの呼吸を確かめる。それは不思議と心癒やされる時間であります。
  

家庭で焼けるシェフの味 VIRONのバゲット ?ハードパンで作るサンドイッチ、タルティーヌ、ブランチメニュー?

家庭で焼けるシェフの味 VIRONのバゲット ?ハードパンで作るサンドイッチ、タルティーヌ、ブランチメニュー?

 今回参考にしたのはVironさんの本。ドライイーストで焼けるバゲットやセーグルパンの作り方が出ていてとても勉強になりました。
とりあえず100本くらい焼いて→失敗して→心を折られて→その先に何か見えてきたらと思うのですが。どうなんでしょう。マイペースで。たんたんと。励んでみたいと思います。

*1:(2014年にはレストランシェフとしてジェームズ・ビアード財団の全米優秀シェフ賞を受賞)。