鎌倉文学館バラまつり
5月23日、鎌倉文学館のバラまつりに行ってきました。
お天気もよく絶好のお散歩日和。
お庭には、カメラを片手にという方もいれば、写生をする方たちの姿も。
小さなバラ園はたくさんの方で賑わっていました。
「紅ヶ谷」「静の舞」「流鏑馬」「星月夜(ほしづくよ)」など鎌倉にちなんだ名前のバラを見つけるとなんだかちょっと嬉しくなります。
バラのアーチをくぐってお庭をそぞろ歩き。
鎌倉のちょっと奥にある秘密の花園。
旧前田侯爵家の別邸だったという鎌倉文学館。バラの美しさはもちろんですが、建物がまたステキで。
バラのシーズンは春と秋の二回。秋には、この庭園でコンサートや朗読のイベントなどを行うそうです。はぁぁ、なんと優雅な(うっとり)。
お昼は、文学館近くのイタリアン「MANNA」さんへ。
目立たないにもほどがあると言いたくなる(苦笑)、まさに隠れ家なお店。女性シェフが切り盛りされていて、カジュアルでとても居心地のいい空間です。アンティパストミスト、魚介のラグーのパスタ、イチゴのテリーヌをいただきました。写真はありませんが、エスプレッソもとても美味しかったです。(エスプレッソ好きなもので)
食後は、鎌倉山の「ル・ミリュウ」さんへ。
実はこの日ワタクシ誕生日でして。。。
デザートを食べ終わったばかりなのに、ケーキもいただいてしまいましたよ。
写真、コクシネル(テントウ虫)と、ショコラフランボワーズ。
今年もおいしいケーキをたくさん食べられますように。
海からの風が気持ちいい長谷寺からの景色。遠く逗子・葉山が見えました。
Petits pains aux pépites de chocolat (チョコレートパン)
先日、今をときめく天才棋士・藤井聡太君の対局を見ていたら、傍らにLOOKチョコレートがありました。頭が疲れた時にはチョコレートですよねぇ。うんうん。と妙に納得。将棋を見ながら、なんだか無性にチョコレートが食べたくなった私であります。
というわけで、今日のおやつは、「チョコレートパン」。チョコチップはいつもより多めに。粉300gに対し60%の120gを入れました。チョコを使うときはなんだかハイテンションになります。
食べきりサイズの小さなパンなので、クープは一本だけ。
まだまだですけれども、最初の頃よりは、カミソリ使い(?)にためらいがなくなってきました。
クープは、見た目もありますが、ガスを逃がしてあげるという目的もあります。
生地のこね方、発酵のさせ方、一つ一つをきちんと積みあげなければ、クープは吐かない(開かない)ということが、私にも少しずつ分かってきました。
お菓子やパンの世界にも「感覚的な天才」がいて、教えられなくても学ばなくても自然に出来てしまう人もいるんですけどねぇ。私は一歩ずつです(涙)。
焼きたてはチョコレートがやわらか。かみしめると口の中にとろりと広がります。部屋中に広がるパンとチョコレートの香り。いろんなことを忘れ、ひと時、ほんわりとした幸せに包まれる。おやつの時間はとても大事だと思うのであります。
Le Pain Viennois (パン・ヴィエノワ)
早いもので、はてなブログに引っ越してきて1年になりました。ゆるゆるペースのダメブログですが、これからもどぞどぞよろしくお願いいたします。
本日のおやつは、パン・ヴィエノワ(ウィーン風のパン)。その名の通り、ウィーンからフランスに伝わったパンで、最近は日本でもよく見かけるようになってきました。もともとはセミハードタイプだったヴィエノワですが、今はバターやミルクなどを加えたリッチな生地に進化。パン・オ・レ(ミルクパン)に近いふわふわの食感です。家では20cmくらいの長さで作りますが、お店などで見かけるのは30cmくらいのものもあります。さらに長ーく60cmほどのものもあり、それは、バゲット・ヴィエノワと呼ぶようです。
写真↑、表面にDorer(ドレ=卵をはけぬり)をしたところ。
焼き上がりがつやつやになりますように。
パン・ヴィエノワの特徴は、横に細かく入れるクープ(切り込み)。
この模様は、ソーシソン(ソーセージ)と呼ばれています。
クープを入れている間にも発酵は進むのでとても焦ります。今日は4本仕込んだけですが、何十本も作る時はどうするのでしょう。ぜいぜい。
ほんのり甘いパンは朝食にもおやつにもぴったり。今日はプレーンを作りましたが、いつかチョコレートやレーズンを入れたものも作りたいです。でも作るのはいいんですけどねぇ。悩みは食べ過ぎてしまうこと。試食係の人がもっとほしい(苦笑)。
おまけ。週末に山梨県・富士本栖湖リゾートで開催されている「芝桜まつり」に行ってきました。色とりどりの芝桜の向こうには富士山が。普段は歩かない、動かない、お日様苦手な私ですが(おい)、この日ばかりはお花畑に浮かれ、いつになくせっせと歩いて、日焼けしてきました。
Le Pain aux Figues (イチジクパン)
どもども。GWの間、すっかり怠けていましたが、今日からまたパン作り開始です。
本日のおやつは、イチジクパン。こういう格子模様のクープ(切り込み)をポルカと呼ぶそうです。なんだか楽しげな名前であります。自分ではパン好きだと思っていましたが、今までクープのことはほとんど考えたことがありませんでした。まだまだ知らないことばかり。最近はお店でパンを買うときはクープをじーっと観察。おいしそうなパンにはステキなクープが入っています。パンの道は奥深いです。
さて、イチジクパン。2回チャレンジしました。1回目はイチジクを6等分にカットしたところ、イチジク行方不明事件が勃発。小さすぎて、どこにいったか分からなくなってしまいました(呆然)。
2回目は4等分にカット。今度は無事「おれイチジクやで」と主張してくれました。よ、よかった。
シンプルなハードパンもいいですが、こんな風にフルーツを入れると同じ生地でもぐっと華やかな味わいになります。焼きこみ具合とか、クープが下手なこととか、悩みはつきませんが、それでも試食の時間が楽しくてお腹いっぱい食べてしまいます。ふー。イチジク好きだなぁ。でも苦しい(食べ過ぎ)。
GWは実家に帰っておりました。ご飯を自分で作らなくていい生活。最高です(もしもし)。ずっと家でゴロゴロしていましたが、1日だけ母と北鎌倉の円覚寺に行ってきました。
新緑美しい円覚寺。とても広いので、途中お茶を飲んだりしてゆるりゆるりと散策。お抹茶には豊島屋さんの鳩の落雁が添えられていました。
実家のワンコ「ケン」。今年9歳になりました。最近は顔の黒い部分に白いものが混じってきて、おじさん(おじいさん?)ぽくなりました。でもおじさん顔もかわいいです(犬ばか)。たくさん遊んでよい休日になりました。
La Baguette (バゲット)
今日のパンは、バゲットです。
今回3回目なのですが、バゲットは本当に難しいなと思います。進むべき道がまだ見えません。目がかすんじゃって(涙目)。
酵母はライ麦全粒粉を混ぜたトラディショナル(準強力粉)で起こしたもの。生地にはこの酵母と補助的に少量のイーストも加えています。
なんとなく私は今天然酵母でチャレンジしたい気分なのですが、フランスのバゲットコンクールの出場者たちのインタビューなどを読んでいると、ほとんどがイースト派。両方作って売っているという方もいますが、バゲットに関しては、イーストという考え方の職人さんが多いようです。
ただエリック・カイザーさんの本を読んでいたら、酵母+イーストだったので参考にさせていただいています。その結果がこれかと思うとカイザーさんにはホント申し訳ないのですが。神様、お許しを(白目)。
前回のチャバッタもそうでしたが、バゲットに関しても、昨今は気泡に重点をおくため、多加水で作られるレシピが多くなっています。生地がベトベトで扱いにくく、発酵の時はだれやすく、もー、どういうこったー。と発狂しそうです。
そんな私を支えてくれているのは、10年程前パリのBHV(ベー・アッシュ・ベー=東急ハンズ的なお店)で買ったバゲット用の網目のある天板。やっぱりあちらでは家庭でもバゲット作る方多いんですかね?? 家のオーブンにぴったりのサイズ。ずっと物置で寝ていらっしゃいましたが、今ものすごく頼りになる相棒です。兄貴ってよんでます(うそです)。
そんな兄貴の助けもあって、生地にはある程度気泡が入ってくれるようになりました。バゲットとはまだ呼べないかもしれませんが、希望の光がすこーし感じられる心持ち。めげずに、たんたんと。練習していきたいと思います。
メゾンカイザーのパンレシピ とっておきのパン&ヴィエノワーズリー95のレシピ
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La Ciabatta(チャバッタ)
本日のパンは、チャバッタ(チャバタ?)。生ハム、卵、チーズ、レタスをはさんで、パニーニにしてみました。
チャバッタは、北イタリア発祥のパン。その歴史は意外と浅く、1982年、ロミオとジュリエットの舞台になったヴェローナのパン職人「Francesco Favaron」さんが考案したと言われています。ある日、配合を間違えてパンの仕込み水多く加えてしまったフランチェスコさん。しかし焼いてみると、気泡の大きな、もちもちした食感のパンができあがったとのだとか。オリーブオイルの香るシンプルなパンは、瞬く間にイタリア中に広がったそうです。
お菓子やパンには、失敗から生まれたおいしい逸話がたくさんありますが、こうした話しを聞くにつけ、なにごとにも不器用な私は大いに力づけられるのであります。
「Ciabatta」は、イタリア語でスリッパという意味。もともとはもっと平べったかったのだと思いますが、今は少しシェイプされた形が一般的なようです。しかし、本来はもっと色白美人のはずで、今回のは焼きすぎました(汗)。
じ、じ、人生は失敗から学ぶことばかり。決して無駄にしないように。いつか美しいパンが焼けるよう日々精進であります。もぐもぐ。
伊豆ランチ「源氏山」
先日、伊豆長岡までドライブしてきました。お昼にうかがったのは、古奈別荘(旅館)内の「源氏山」さん。
35種類以上物の野菜が食べられるというビュッフェ形式のお店で、新鮮な野菜をモリモリいただけるのです。
実はうかがうのは今回三回目でして。趣ある建物の雰囲気も、窓から見えるお庭もステキで、なんだか和んでしまいます。
地元野菜のサラダや板前さんがその場で作ってくれる熱々のだし巻き卵、黒米のご飯など、ビュッフェとは別にお店の方が運んできてくれるものも美味。いつもお腹いっぱいになってたどり着けないのですが、熱々のだし巻き卵はおかわりもできるみたいです。あぁ、お腹が二つほしい。でも野菜で満腹になるってよいですね。罪の意識ゼロです。やせるかなぁ(やせない)。
あわせて行きたい伊豆仁田のケーキカフェ「irodori」さん。カロリーオフだった分は、甘い物で補わなければなりませぬと誰かが言った(ような気が)。
伊豆の桜、先週が満開でした。
春うらら。源氏山のお庭で咲いていた可憐なお花。名前なんていうんでしょう。かわいかった。
TARTE AU CITRON MERINGE(レモンメレンゲタルト)
歯の定期検診に行ったら、虫歯が見つかりました。げげげ。気をつけていたのに。甘い物の食べ過ぎか(目眩)。それなのに性懲りも無くというかなんというか。歯医者さんに行った帰りは、決まってケーキとかドーナッツとか食べたくなるんですよねぇ。なんででしょう。
本日のおやつは、「TARTE AU CITRON MERINGE(タルト・オ・シトロン・ムラング)」。タルトの中に、レモン二個分のジュースで作った甘酸っぱいレモンクリーム。その上に、イタリアンメレンゲのエスカルゴ(ぐるぐる巻き)を重ね、表面をバーナーでじゅうっと焦がします。レモン好きにはたまらないお菓子です。
タルトを作ったのは一年ぶり。実は一台目を失敗しました(白目)。これは二台目。はっはっは(疲れてる)。
心を慰めてくれるレモンの香り。
今日も一日がんばった。誰も言ってくれないので(歯医者さん行っただけだからね)、自分でねぎらってみる。ほっと一息つくおやつの時間。
あ、パンの方も頑張っております。これはレーズンパン。しまった。歯を磨いたのにまた食べてしまった。いずれまたパン報告をば。
sables aux framboises
東京の桜は咲き始めたようですが、うちの近所はもう少しかかりそう。私たちには桜に恋い焦がれる遺伝子が組み込まれているのでしょうか。花が咲くのを待ちわびて毎日そわそわしています。
今日のおやつは、フランボワーズのサブレ。フランボワーズのリキュールを加えたグラッサージュを塗ったピンクの花型のサブレです。
気分は花咲かじいさんです(ばあさんかな)。黄色い花も咲かせてくれよう。というわけで、シトロンサブレも作ってみました。この花はポリポリして、口の中ですぐに散ってしまいます。
去年の春はお腹の筋腫が発覚。9月の手術が終わるまでまわりの景色をみる余裕も感じる心もなかったように思います。世界が灰色に見えました。
でも 今はもうすっかり元気。あっという間の半年でした。
最近ジョギングを始めました。走った後、近くの炭酸泉のお風呂屋さん行くのも楽しみです。
お腹に残った14cmの傷を出すのは少々はずかしいのですが、これは頑張った勲章だと自分に言い聞かせて。でもお風呂に来ているのはおばあちゃんばかり。おしゃべりに夢中で誰も私のお腹など見ていません(笑)。大丈夫。
今年の春は去年の分まで楽しまなくては。
桜が咲いたら、お弁当を持って外に出よう。会いたい人にも会いに行こう。旅にも行こう。タルトを作ろう。色とりどりのフルーツを飾って。
桜。さくら。早く咲きますように。
近所の公園は今こぶしの花が満開。一足先に春の訪れを告げてくれました。
由比「くらさわや」 (桜エビの季節です)
桜の開花はまだのようですが。。。海の桜は咲き始めたようでして。
そうなんです。 駿河湾の桜エビ漁が3月21日に解禁になりました。
恥ずかしながら無類のエビ好き(エビラー)のワタクシ。
桜エビの町、静岡県・由比へと行ってまいりました。
写真↑、「くらさわや」さんの桜エビのかき揚げ。ふんわり軽くてサクサク。春っておいしい(涙)。
メニューはまさに桜エビづくし。エビラー震えます。ふるふる。
いただいたのは、桜エビと釜飯のセット。
かき揚げは1枚と2枚が選べます。迷わず2枚をチョイス。
こちらは釜飯。たっぷりの桜エビ。味付けは薄味でとっても上品。ほんのりお酒の香り。桜エビのおいしさがしみじみ感じられるご飯。ふー。エビラー、至福のひとときであります。
「くらさわや」
住所:静岡県静岡市清水区由比東倉沢69-1
電話:0543-75-2454
JR由比駅から徒歩20分(タクシー3分)駐車場10台ほど
http://www.sakuraebi.org/
東海道の宿場町として栄えた由比。その名残を感じさせる趣ある建物が残っていました。写真↑、小池邸。小池家は江戸時代代々名主としてこの地区でつとめた一族。
↑こちらは東海道あかりの博物館(入場料500円)。
そうそう、小池邸の方に、次に来るときは、薩埵峠(さったとうげ)を越えて次の宿場町・興津まで歩いたらいいわよ。と教えていただきました。そういえば山歩きの格好をした方を何人も見かけました。片道1時間くらいの距離らしいです。天気がよければ、峠から富士山と駿河湾の絶景が見えるのだとか。歌川広重も描いた景色。次回ぜひぜひ。
車で少し走ったところにある由比漁港。桜エビのモニュメントがどーん。
由比漁港。5月には桜エビ祭りが開かれるようです。
おやつは、製餡業発祥の地。あんこの町「興津」で。「茶楽」さんの「和パフェ」。
春の桜エビ漁は6月まで(秋漁もあります)。エビラーの旅、いつかまた再び。
Pain au Fromage
パン第二弾。今日は、パン・オ・フロマージュ。
チーズパンはおやつにもなるし、食事にもなるし、なにより、私はチーズが好きでして。
グラタンの上のところとか、チーズパンの上のカリカリのところとか。ふぅ、たまらん(身震い)。
オーブンの中で、チーズがマグマのようにあふれてくるところを見て一人興奮しております。
今回は、130gの生地に20gのチーズ。長方形に伸ばした生地に適当にのせ、くるくるっと巻いて、細長く成形します。
上手になったらゴーダやミモレット、ゴルゴンゾーラも使ってみたいです。ゴルゴンゾーラのカリカリ。想像しただけでたまらん(じゅるる)。
ハードパンはと少量のイースト(食パンの5分の1ほど)を使い、低温で時間をかけて粉の旨みを引き出していきます。
つぶされてはふくらみ、丸められてまたふくらむ。いくつもの行程を経て、形になっていく。
目に見えないけれど生きている。パンは不思議でそして愛おしい。
がんばれ。がんばれ。発酵途中、何度ものぞいては声をかけたくなってしまいます。
写真↑、断面はこんな感じ。
焼きたては、炭酸ガスが出ているので、すぐに食べない方がいいと言われていますが。
あつあつとろとろのチーズ。はふはふしながらいただきます。
パン修行、絶対太りますな。
ぶるる(身震い)。
La Boule (ブール)
大変ご無沙汰しております。前回から三ヶ月もたってしまい、面目次第もございません。ふつつかなブログですが、また再開したいと思います。どぞどぞよろしくお願いいたします。
最近、久しぶりにパンを焼き始めました。
これまで幾度となく挫折してきたハードパン。もう無理なんじゃないのかともう一人の自分が心の中でささやくのですが。。。
シンプルなバゲットやカンパーニュ。そこにチーズやレーズン、イチジクにクルミ。好きなものを好きなだけ入れられるようになったらどんなにいいかしらと思う自分もいたりして(よだれ)。
というわけで、本日のおやつは「ブール」。「ブール」=「ボール(玉)」ですな。バヌトン(発酵カゴ)に入れて丸く大きく成形しました。
実はフランスでバゲットが主流になったのはここ100年くらいのこと。その前はテーブルパンの王様はブールだったそうです。核家族化が進んで、大きなパンを買う人が少なくなってしまったのだとか。とはいえ今でも根強い人気があります。この愛嬌のある姿。私もファンの一人です。
↑写真は二次発酵が終わり、クープ(切り込み)をいれたところ。この後240度のオーブンで20分~30分ほど焼いていきます。
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先日、アメリカの天然酵母パンの先駆け「La Brea Bakery(ロサンゼルス)」のシェフ「ナンシー・シルバートンさん」の番組を観ました。1990年代(だったと思いますが)、工場のパンではなく、粉のうまみが感じられる本物のパンを作りたい。すでにレストランシェフとして名声を得ていたナンシーさんですが、パンは専門外。手探りの状態から試行錯誤を繰り返し、全米一と呼ばれるパン屋さんへ成長していった様子が描かれていました。*1 大事にしたのは「The Breath of Breads」(パンの呼吸)を聞くこと。
パンはマイペースで気まぐれ。寒かったり暑かったり、ほんのちょっとの変化にも敏感。今日できたことが明日もできるとは限らない。こちらの思惑通りにはななってくれない生き物。味わい深い生地を作る心得は、無理をさせない。急がせない。失敗しても失敗してもその呼吸を聞き、飽くなき探究心で追い求めた理想のパン。その圧倒的な美しさに心震えました。
さてさて話は戻りまして私の「ブール」。断面はこんな感じ↑。3回目のチャレンジで気泡が入ってくれるようになりました。
しかし、毎日一緒にいる夫の気持ちもよくわからないのに(あれ)、パンの気持ちに近づくなんて仙人になるより難しそうですが。。。耳をすませ、赤ちゃんのほっぺのような生地に指で触れ、パンの呼吸を確かめる。それは不思議と心癒やされる時間であります。
家庭で焼けるシェフの味 VIRONのバゲット ?ハードパンで作るサンドイッチ、タルティーヌ、ブランチメニュー?
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とりあえず100本くらい焼いて→失敗して→心を折られて→その先に何か見えてきたらと思うのですが。どうなんでしょう。マイペースで。たんたんと。励んでみたいと思います。
*1:(2014年にはレストランシェフとしてジェームズ・ビアード財団の全米優秀シェフ賞を受賞)。
Sables amande et chocolat ( サブレ・アマンド・エ・ショコラ)
12月27日に引っ越すことになり、ばたばたと作業が進んでおります。3年から4年に一回くらい引っ越ししているので、けっこう慣れているつもりなのですが。。。なぜだろう。先が見えない(目眩)。そして腰が痛い(それは歳だから)。
一番気になるのは器やお菓子道具などの割れ物。梱包資材も進化して箱詰めは楽になってきているんですけれども。大事なものは丁寧に包みたい。というわけでプチプチで巻いて巻いての作業が果てしなく続いております。
写真は、少し前に作ったアーモンドとチョコレートのサブレ。2種類の生地を組み合わせて作りました。とても好きなサブレなのですが、手間がかかるので心に余裕があるときしか作れません。今?今は絶対無理(笑)。
アーモンドはあらかじめキャラメリゼしてオーブンで焼き、粗く刻んでサブレに練り込みます。カリカリの食感とキャラメルの香りがアクセント。それをチョコレートの生地でクルリと巻いています。このとき、「巻き」が甘いと、生地の間に隙間ができてしまうし、かといって力をいれすぎると、形が崩れてしまうので要注意。この「巻き」のデリケートさに比べれば、お皿の梱包なんてねぇ。えぇ、もうどうってことないですよ(涙目)。
キャラメルのほろ苦さとビターなチョコレートのハーモニー。少し大人っぽい表情のサブレ。心を落ち着けていつかまた作れる日が来ますように。
その日のために、今はプチプチのくるくる巻きに励みたいと思います。はい。
Cake aux Fruits Confits (フルーツケーキ)
まだはっきり決まっていないのですが、一ヶ月後くらいに引っ越しをすることになりました。そんなわけでなんだかばたばたしております。前の引っ越しの時から一度も開けたことのない段ボールとかどうしてくれようと思いますけど。み、見るのが怖い(苦笑)。でもこれを機に断捨離をしなくてはと思っています。今度こそです。はい(気合い)。
さて、本日のおやつは、フルーツケーキ。ひさしぶりにクグロフ型で焼いてみました。
えー、前回、フィナンシェのことを「待つお菓子」と書いたら、何人かの方から「長すぎる」「そんなに待つとは知らなかった」というお言葉をいただきタジタジとなりましたが(汗)。それくらいで驚いてもらっては困ります。「フルーツケーキ」は1ヶ月も待つのですから。
ま、でもうちの試食係がそんなに待てるはずもなく、2,3日後用のと1ヶ月用のと2個用意しましたけどね。なんていうか「囮(おとり)」? 違うか。「時間稼ぎ」? ↑こちらは3日だけ寝かせた試食用のパウンドケーキ。でもこれはこれでねぇ。おいしいですよ。もぐもぐ。
クグロフ型の方は、グランマニエ(あるいはラム酒でもよい)を加えたシロップをうち、アルミ箔にくるんで冷蔵庫へ。これから長ーい眠りに入ります。
アドベントカレンダーの喜びにも似て、待つことがおいしさにつながる「フルーツケーキ」。このお菓子を食べるとホッとするのは、のんびり歩むことは、速く歩くことよりも大事な時があるんだよと気づかせてくれるから。
最近よく思うのは、自分のタイミングで物事をはかってはいけないなということ。それは人に対してだったり、出来事であったりするけれど、ままならないのが人生。ひと呼吸おいて、頭を無にして、その時が来るのを静かな気持ちで待ちたいと思うことが増えました。ともすると自分のタイミングを押しつけてしまいがちだけど。答えを求めすぎないで、急ぎすぎないで。ゆっくりゆっくり。
一ヶ月後、クリスマスの頃(それは引っ越し準備真っ只中の頃でもある)、しっとり熟したフルーツケーキを食べるのがとても待ち遠しいです。
Financier (フィナンシェ)
お題「今日のおやつ」
今日のおやつは、フィナンシェ。先週からせっせと焼いています。秋が深まるとバターのお菓子がおいしくてねぇ。やめられない。とまらない状態です。
フィナンシェの材料は、卵の白身、バター、はちみつ、お砂糖、粉、アーモンドパウダー、ヘーゼルナッツパウダー。バターを焦がす手間はありますが、あとは材料をあわせていくだけ。手間がかからない分、「待つ」ことが大事なお菓子だと思います。
我が家では、卵を割って白身を三日寝かせ(コシをとり液状化させるため)、生地合わせをしてさらに三日寝かせます。型は「シャンティーヌ」という深めのフィナンシェ型を使用。通常は高さ11mmなのに対し、シャンティーヌは20mm。待った分だけ、焼き上がりはふっくら、歯触りはサックリに仕上がります。とはいえ、諸々の事情により三日待てないこともありますけどね(もしもし)。しかし、その場合も時間の許す限り待ちます。フィナンシェの極意は、忍耐忍耐また忍耐でござる。ニンニン。
焼き菓子は、一見地味に見えがちですが、様々な条件が満たされた時、その表面には美しいつやが生まれると言います。「Brillant(輝いている)」かどうか。どのお菓子にも言えることですが、輝いているお菓子は、見る人に「おいしさ」を予感させます。一つ一つの工程を丁寧に積み上げること。ゆっくりと待つこと。そんな風にしてできあがったお菓子は、とても控えめだけれど「Brillant(輝いている)」ように思います。
せっかちな私には難しいことですが。。。待つことを楽しめる、少しの時間を惜しまない。そんな大人になれたなら。人生も今よりちょっぴり輝いて見えるのかもしれない。なんてことを思ったり思わなかったりする秋の夜であります。ベランダで。もぐもぐしながら。今夜も月がきれいです。